食品業界向けバイオポリマー

2021年7月

著者:Madeeha Uppal

プラスチック廃棄物は世界的な問題である。そして食品や飲料用のプラスチック容器をリサイクルする際には、食品や油の残留物が問題となる。リサイクルが容易もしくは生分解性のある材料は、研究によって多様な用途や特性を持つ新しい改良されたバイオポリマーが得られることから、成長市場となっている。

カナダに本社を置くgood natured Products社は、木箱や容器、食品包装、刃物類などの植物由来の製品を開発しているリーダーである。同社は、製品の大部分にポリ乳酸を出発原料として使用しているが、サトウキビや繊維を原料とする製品にもポートフォリオを拡大している。2021年5月、同社は耐熱性を備えた生分解性食品容器の発売を発表し、それは市場に出回る植物由来の容器の中で、初めて電子レンジでの使用が可能ものとなった。このパッケージは97%が植物由来の材料で作られており、耐久性に優れ、漏れにくいのが特徴である。この容器は、電子レンジで使用できる蓋とともに、さまざまな色とサイズで提供されている。また、プラスチック製の食品包装に含まれ、電子レンジで加熱すると食品に溶出する可能性のあるフタル酸エステル類やビスフェノールAなどの有害化学物質を含まないことも、この食品容器の利点である。

Implications

現在、ほとんどのプラスチックは、石油を原料とした再生不可能な原料から作られている。しかし、従来のプラスチックの製造や廃棄に起因する環境問題に対する消費者の意識の高まりや、政府による使い捨てプラスチック製品の禁止などにより、プラスチックをより持続可能な方法で製造することが推進されている。カナダでは、2021年末に政府が使い捨てプラスチックの使用を禁止する予定であり、good natured Products社の食品パッケージのようなバイオプラスチック製品の使用が急増すると思われる。また、低炭素ポリ乳酸を製造する北米のNatureWorks社は、先日、大手コーヒー加工・包装会社との提携を発表した。両社は共同で、堆肥化可能なシングルサーブのコーヒーポッドを導入し、食品廃棄物の回収を簡素化するための持続可能なソリューションを提供する予定である。

 

パンデミックが始まって以来、レストランでのテイクアウト食品や飲料の増加に伴い、食品業界でのプラスチックの使用が大幅に増加し、バイオプラスチック企業の収益も大幅に増加した。この成長のブームに乗っているのが、good natured Products社である。同社は、2019年から2020年にかけ、収益が65%増加した。2020年には、good natured Products社は大規模な生産施設を取得した。これにより、同社はパッケージをよりコスト効率よく生産し、手頃な価格の製品を提供できるようになるかもしれない。

食品・飲料業界では、自社製品のリサイクル可能なパッケージに投資している企業がいくつかある。2020年、Diageo社はPilot Line社と共同で、持続可能なパッケージ企業であるPulpex社を設立し、世界初の100%ポリエチレンテレフタレートフリーの紙製ボトルを開発した。パルペックス社は最近、飲料業界向けに木材パルプを使用したボトルの工業規模での生産を開始することを発表した。ペプシコやユニリーバをはじめとする主要ブランドは、この技術を自社のパッケージに採用することを約束している。

食品・飲料業界では、自社製品のリサイクル可能なパッケージに投資している企業がいくつかある。2020年、Diageo社はPilot Line社と共同で、持続可能なパッケージ企業であるPulpex社を設立し、世界初の100%ポリエチレンテレフタレートフリーの紙製ボトルを開発した。パルペックス社は最近、飲料業界向けに木材パルプを使用したボトルの工業規模での生産を開始することを発表した。ペプシコやユニリーバをはじめとする主要ブランドは、この技術を自社のパッケージに採用することを約束している。(英文)