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IT業界すなわちベンダー、投資家や金融機関、企業のIT担当重役、それに業界プレスやアナリスト達は、コンピューティングの次の波を語る言葉としてウェブサービスに執着している。
だが決まり文句の常として、ウェブサービスも実に曖昧な言葉で、この言葉が何を意味するのか、IT業界はきちんと説明していない。特に企業にとってのメリットが不明なままである。売り込み熱が高まりすぎて、肝心の技術的なメリットがぼやけてきており、夢物語に近いような非現実的な予想まで登場している。
XMLによるデータ共有は、現行のデータベース技術（オープンデータベース接続、SQL（構造化照会言語）など）よりも簡単且つ高速、しかも安価で安全性が高い−これが多くのウェブサービス有望説の前提であるが、そのようなことはまだ正式に発表されたわけでも証拠があるわけでもない。しかもこの新しい可能性を生かせるのはどんなベンダー、サービスプロバイダなのかも、まだわかっていない。ところが業界関係者の中には、過剰設備と個人消費の伸び悩みに苦しむハイテク産業にとってウェブサービスが救世主になると期待する向きもある。
このレポートは企業がウェブサービスから現実的に期待できる恩恵を解説し、実現可能性のあるアプリケーションや導入時期を検討する。また法人向け市場への参入を考えている企業、あるいはウェブ技術が自社の事業に与える影響を評価したい企業のために、今後の波及効果を分析する。 （9ぺージ）（著者：David Rader） |
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