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ビジネスの世界に革命を巻き起こした情報技術の激震が遂に工場にも波及し、産業ネットワークに影響を与えるようになった。なにしろ工場の現場と役員室を直接結ぶことも、理論的には可能である。接続性をこの水準まで高めるために企業はイーサネットに注目し、製造現場のマシンや端末をネットワークしようと考えている。なおイーサネットは、オフィスのLANとして現在最も利用されている情報技術である。
こうした背景には技術・ビジネス両面の要因があるが、技術面の要因としてはまず第一に、製造現場で使われていたネットワーク技術に相互運用性が低いなど問題点が多かったことが挙げられる。第二の要因は、イーサネット技術が向上し、工場の環境にも適するようになったことだ。
イーサネットは情報アクセスの合理化、教育研修の必要性の低下、遠隔監視、標準化、高速化を可能にする。またビジネス面の要因も、製造現場でイーサネットの需要を喚起する効果があった。パソコンやソフトウェアのメーカーはオフィス市場以外にも供給拡大を狙っており、しかも工場のネットワークは変革を迎える時期にさしかかっていたからである。
こうした促進要因が重なって、工場へのイーサネット導入の気運が高まっている。とは言え技術・ビジネス両面でハードルは高く、工場やプラントによって導入の成果にはばらつきが出るだろう。このため、問題点をよく認識しているメーカーや工場関係者はイーサネットの実行方式をカスタマイズし、自分たちの業務ニーズに合うよう調整している。多くのベンダーも、産業用イーサネットが進化するにはまだ長い時間が必要と認める。従って工場へのイーサネット導入を検討する企業は、その長所、短所を慎重に考慮した方がいいだろう。 (15ぺージ)(著者:Carolyn Sleeth) |