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2000年のクリスマスには、消費者エレクトロニクス市場で電子ブック(e-ブック)リーダー(またはeリーダー)が飛躍的に伸びると期待されていた。しかしながら売り上げは振るわず、これらの機器は、より広範な書籍市場での地盤を固めることさえもできなかった。
e-ブックリーダーの実態がすでに知られていることを考えれば、売上が振るわなかったことは驚くに値しない。娯楽読書に焦点を当てた消費者市場には、申し分なく機能しているモデルがある。従来型の書籍は、広範な消費者層が現在求めている全ての恩恵を提供している。娯楽読書では、検索機能やそれに類するアプリケーションを必要としないことから、付加機能は利点にはならない。
付加機能を利用することが見込まれる専門家や学生市場では、ラップトップや個人用情報機器(PDA)がすでに高い普及率に達している。e-ブックリーダーは、利用形態、市場セグメント、そして内容によって、2種の優れた技術が競合している。
e-ブックは、長期的には貴重なニッチ市場を開拓することが可能であるが、一般の人が興味を持つ市場では難しいようだ。ニッチ市場であっても、よいサービスを求められる。規格と著作権の問題も、市場への早期参入を妨げている。ニッチ市場に浸透するには、数々の難問克服を必要とし、広い消費者市場に浸透するには、何十年もかかるだろう。 (12ページ)(著者:Martin Schwirn) |