ロボットに対するアナリストや消費者の関心は、2001年も引き続き高かった。ソニーのアイボを始めとするロボット玩具の目玉商品が加わり、バトルボッツなどのテレビ番組も人気を獲得。一部の企業などは、近い将来ロボットはパソコンと同程度まで普及すると予想している。だがロボットを誇大に宣伝し業界の実際の能力以上に期待を煽った点で、アナリストや先行企業の罪は深い。
現実には、ロボットの定義ですらまだ激しい議論の的となっているのが実情だ。一般的にロボットとは、センサー、アクチュエーター、コンピュータ制御機能を組み合わせたメカトロニクスマシンのことである。だがその応用例となると、人間の特徴をどれだけ模倣するか、また、その模倣技術水準の点でも大きなばらつきがある。
ロボットを実現する技術や結合技術は大幅な進歩を遂げたが、商品化はまだだいぶ先のようだ。中でも高いハードルは、消費者のロボット受容度である。とりわけ欧米諸国では、ロボットに仕事を奪われる、ロボットが人間を駆逐するとの認識が根強い。
このほか技術的ハードルも多く、中でもロボットに自律性を持たせリモコン操作から解放することは大きな課題である。あらゆる産業における商機を精査するためには、ロボット分野の先行企業を調査し、消費者向け市場での成果を見極める必要があろう。また、人間型ロボットすなわちヒューマノイドロボットの研究開発から派生する新たなチャンスにも注目したい。 (12ページ)(著者:Lindsay
C.
Wilson)
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