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遺伝子組み換え(GM)食品を巡る議論が喧しく、バイオ企業はこの技術の将来に不安を感じ始めている。一般向け PRでの失敗をきっかけとして、経営者、戦略立案者、政策担当者、評論家など様々な人たちが、効果的な政策や市場戦略を作成するためにGM食品に対する一般の意見を把握しようと躍起になっている。実際バイオテクノロジーの分野では、技術のすばらしさをアピールするだけではもはや十分ではない。いわゆるニューバイオに対する消費者の姿勢一つで、市場は拡大もすれば消滅もする。
従って企業は、GM食品を最初に受容するのはどんな消費者グループなのか、このグループに受容されやすいのはどんな食品か、どんなメッセージがこのグループにアピールするのかを把握する必要がある。消費者は決して皆同じではなく、技術に対する彼らの反応は時と共に変化する−これが企業が得た貴重な教訓である。
新技術に対する消費者の意識調査は長らく軽視されてきた。だがこの点に真剣に取り組む企業は、消費者は斬新な製品に無条件で飛びつくなどと考えている企業に先行できる。また歴史の教訓や科学・技術・政策の相互作用にも注意を払う必要がある。消費者は市場のみならず政策決定にも影響力を持つので、科学知識を浸透させる努力も怠ってはならない。開発・商品化の過程を通じて技術のメリットを消費者に広く知らせることで、製品に対する理解を高め、受け入れも進むはずだ。 (12ページ)(著者:Andrew Broderick, Kristen
Thomas) |