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水、空気、食品の品質を監視する役割は政府機関か企業が果たすのが一般的であり、企業は消費者向けモニター装置の開発にあまり乗り気でなかった。製造物責任や製品開発コストを嫌ったためでもある。しかし今や技術や市場の状況は変化しつつあり、個人ユーザー向けモニター装置の見通しも有望になってきた。
技術面では、装置の小型化や一体化により新しい可能性が生まれている。一方市場では特定の汚染物質にさらされる健康上の危険性を消費者が意識するようになり、リスクに目覚めた市民団体が、自らの手で健康や安全を守るための新しい技術や装置を熱心に求めている。つまり個人用モニター装置の開発は、業界・消費者双方の利益に適うわけだ。
実際、消費者向けモニター装置に使われる技術は、食品製造や、製造工程から排出される空気・水の品質監視にも応用可能である。現時点では、食品劣化、水質、室内環境のモニター装置に対する関心が特に高い。
今のところターゲット市場ははっきり特定されておらず、今後の市場の発展はマーケット・プル型ではなくテクノロジー・プッシュ型となろう。この種のモニター装置がどう活用されるかを見極めるためには、広範な消費者行動調査が必要である。 (11ページ)(著者:Andrew
Broderick, Carolyn E. Sleeth)
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