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「変化の兆し(Signals of
Change)」シリーズは、変化の兆候を読みとり商機を生かす一助としてB-I-Pが企業向けに発行する出版物である。このレポートは2002年7月にロンドンで行われたスキャンミーティングについて報告し、ここで取り上げた変化の兆しを分析する。
ミーティングの第一の話題はマイクロアウトソーシングである。これは1回限りの仕事のアウトソーシングで、インターネット技術の登場で初めて可能になった。コスト削減効果のほか、プロジェクトの分担・開発といった時間のかかる手順を省けるメリットがあるが、知的財産権の帰属がはっきりしないなどの欠点もある。
第二の話題は顧客関係の収益性である。企業が自社の顧客を追跡調査する能力は年々強化されており、収益性調査に対する関心が高まっている。この種の調査は通常は最もコストパフォーマンスのいい顧客を繋ぎ止めるために行うものだが、実は同時に、切り捨てた方がいいようなコストパフォーマンスの悪い相手も判別できる。一部の企業は顧客別の利益・損失評価を積極的に採り入れているらしい。きわめて現実的で損得勘定に基づいたこのやり方は、顧客定着戦略に新時代が来ることを予告しているのだろうか。
最後の話題では、先進国での肥満の増大とそれが産業界に及ぼす悪影響を取り上げる。タバコとアスベストメーカーを槍玉に挙げた弁護士たちは、今や「高カロリー食品」に狙いをつけている。かつてタバコ製品は訴訟で痛めつけられたが、ジャンクフードも同じ運命をたどるのかも知れない。
(9ページ)(著者:Rob
Edmonds, Erin Coberth, Dave Alker, Rosamund
Gee)
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