価値の主な源泉がイノベーションであることは、今では多くの企業が認めている。だが技術や競争相手がめまぐるしく移り変わるため、差別化を通じて価値の最大化を図るのはきわめて難しい。
研究開発への投資を促す誘因は増えているが、実際には研究開発予算の額よりもいかに効率的に努力することの方が大切なことが多い。技術革新を追求する企業には、実用化を待つすばらしいアイデアがうなっているだろう。
こんな企業にとって命取りになるのは、競争力のある分野に的を絞りきれないこと、イノベーションマネジメントが一貫性を欠くこと、商業需要のないイノベーションにこだわること、二番煎じに甘んじようとすることなどだ。
社内の全職階にわたり創造性を誘発するような一貫した業務プロセスを用意すると同時に、社員全員の関心が会社の重点戦略や収益性、競争優位性に向くように仕向けることが、効率的なイノベーションの鍵である。これらを通じて創造性を巧みに引き出すことができれば、その見返りはきわめて大きい。
最高のイノベーションに成功する企業にはコスト削減と同時に有利な価格設定が可能になり、単なる価値を超えた価値すなわちスーパーバリューを生み出すことができる。
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