緊密な技術とロジスティクス関係をベースとして価値拡大ロジスティクスとはコスト効率に優れた保管および拠点間の原料・部品・完成品の移動を意味し、サプライ・チェーンの主要な構成要素となっている。
ロジスティクスは多大なコストがかかる−ロジスティクス費用は米国のGDPのうち約1兆ドルを占め、全世界では恐らく2.5〜3.5兆ドルに達すると見込まれる−が、社外の顧客は勿論、社内の顧客(例えば生産ラインなど)の要求対応上、極めて重要な役割を果たす。顧客は望みの品が常に望み通りに製造・納入されることを期待、且つ要求し、出荷の遅れや経路の間違い、書類の誤り、通関時のトラブル、予想外のコスト、通信の不備などを許さない。しかもグローバリゼーションが進行する中、ロジスティクスの課題は困難さを増す一方だ。
21世紀の熾烈な貿易戦争を戦う企業の競争力は、多国間にまたがるロジスティクスを設計して実行、管理、しかも同時に各国の当局や始終変わる規則に対応する能力にかかっている。コスト低減や品質改善、市場への接近を狙って企業が重要なビジネスプロセスを世界各地に分散させるに従い、ロジスティクス担当者やシステムにかかる重圧は増え続けている。
しかし今日の多くの企業のロジスティクス体制は、今後数年以内に予想される大量の貨物や複雑な取引を想定して設計、整備されていない。そうなると荷主の側は、インターネット技術を活用する外部のグローバル・ロジスティクス・プロバイダーと緊密に連携したり、更に提携さえ視野に入れるようになるだろう。一方プロバイダーは、荷主にとって21世紀に必要となる技術、コンサルティング、リエンジニアリング、プロセス管理機能を一層提供できるようになるだろう。
(著者:William W. Goldsborough)
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