Synopsis 2011-04

　2011年3月2日のScan（TM） Meetingでは、5つのテーマ分野が浮上した。価格設定モデルは、価格上の考慮における実験、低所得市場での利益創出の試み、競争上での優位性を獲得するために質素･倹約を製品やサービスに取り入れるアプローチを紹介する。社会動学が注目するのは、科学的結果についての誤った発表によって生じる問題、複雑な課題への対応時の変わりやすい個人の信条や信念、ソーシャルメディアに関係する新たなエチケットの出現の可能性である。技術関係のトピックは、アプリ市場のバブル展開および匂いと香りの技術の新たな商業的利用について概説する。産業問題では、現在の電池技術に関係する課題を提示しながら、電気自動車の導入を促進する上での製造工程における成果例やアプローチを紹介する。社会的な考慮事項は、社会の二極化を示す新たな証拠、そして地球にはこれまで考えられてきたよりも多くの人口をサポートできることを示す研究に触れている。

各レポートとも全文をご覧になるためには、Scanプログラムの会員権が必要になります。

ご関心をお持ち頂いた方は、こちらからお問い合わせ下さい。
なお、このプログラムで配信される全てのレポート群に関する情報は、こちらにございます。

　価格設定モデルは3つのパターンから成る。P0184「価格設定をいじる」では、市場におけるハードルを克服しようと、これまでとは異なる価格設定アプローチを取り上げている。P0186「低所得市場で収益を生み出す」が示すのは、さまざまな発展途上市場の低所得消費者層を対象にした事例を紹介する。P0187「倹約経済」は、質素･倹約を製品開発に組み込むことをマーケティング･ミックスの重点項目とするコンセプトに着目している。

　社会動学も3つのパターンから成る。P0185「科学的偽りによる悪事」は、科学情報の誤った認識、理解、利用に焦点を当てている。P0188「複雑なシステムに関する影響され易い信念」が明らかにするのは、複雑なダイナミクスに関する科学的情報の側面と、そのようなシステムの評価に与える人の心理である。P0192「ソーシャルメディアのエチケット」は、メディアやコミュニケーション分野における変化に関係する新たな社会的エチケットの展開を推測している。

　技術関係テーマにおけるパターンは2つある。P0181「アプリバブル」は、デジタルデバイスの増加に伴うアプリの普及が、ソフトウェア･アプリ製品・サービスの過剰供給を引き起こすことを警告している。P0190「存在感を見せ始めた匂いと香りの技術」は、嗅覚技術の新たな商業的応用を取り上げ、市場への導入努力について述べている。

　産業問題は、2つのパターンから成る。P0182「国内での製造を維持する」は、先進各国の国内製造にも、いまだにグローバル化した市場への実行可能なアプローチ方法が存在することを示唆する新たな成果を掲げている。P0183「電気自動車市場を動かす電池」は、電気自動車(EV)受容のイネーブラーとなる電池市場における新たなアプローチについて考察する。

　今月の最後のテーマを締めくくる社会的な考察事項に関係するパターンは2つである。P0189「社会の二極化」は、先進国、途上国の中で不平等が拡大していることを示す証拠を紹介している。P0191「人が増えれば、食料も増える」は、食料の生産と流通における再編と新しいアプローチにより、しばらくの間は人口が増加しても充分な食料の供給が可能であることを示している。