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2001年9月11日に発生した同時テロ攻撃の衝撃は、安全に対する人々の懸念を深刻化させた。だがテロ攻撃の前にも、別の要因が安全とセキュリティに対する不安を募らせていたことを忘れてはならない。
欧米では随分前から現実的であった犯罪に対する恐怖が、日本のような比較的安全であった国にまで拡がっている。その一方で平均寿命が延び伝統的な家庭のあり方が変わるなど社会構造が変化し、安全な生活を人頼みでなく支えるための製品やサービスの需要が高まってきた。
こうした状況では、ユーザー個人の安全確保に役立つ新技術には大いに市場機会が期待できそうだ。特にパーベイシブ・コンピューティング時代の幕開けでネットワーク化
やモバイル化によるソリューションの道が拓けてきており、健康状態のモニター、トラブルに巻き込まれた人の位置特定、情報アクセスや入館時の本人確認などに有用と期待される。
パーベイシブ・コンピューティングはまだ実用段階には達していないが、基本となる技術は商業化が進んできた。最も有望なソリューション実現技術としては、GPSと無線通信システムを利用したトラッキング技術、指紋や虹彩、音声で識別・認証を行うバイオメトリクス技術、チップに無線識別タグを装備したコンピュータネットワーク、音声・動画のストリーミング技術を活用した専用テレビカメラシステムなどが挙げられる。 (7ページ)(著者:Carolyn
Sleeth, Samantha Blighe)
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