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2001年から2002年前半にかけて世界の携帯電話事業者は第二世代(2G)ネットワーク・インフラの改善を進め、データ転送速度の高速化、マルチメディア・サービスへのアクセス提供のほか、音声品質の改善を目指してきた。2.5Gとも呼ばれるこうした改良型インフラでは2種類の進化型無線インターフェースのどちらかが採用されており、これらはGSM(汎欧州デジタルセルラーシステム)またはCDMA(符号分割多重アクセス)のいずれかから派生したものである。
携帯電話事業者は無線データ・サービスの提供で新たな収入源を確保し、次世代事業免許に注ぎ込んだコストの回収や継続的なインフラ改善、さらには第三世代(3G)サービスに向けたネットワーク構築に充てたいと考えているはずだ。
次世代モバイル・データ・サービス市場の勝者は、最終的にはデータ転送効率、需要、料金体系、訴求力のあるアプリケーションといった多数の要素が絡み合って決まることになろう。北米市場ではGSM/GPRS(汎用パケット無線システム)方式とCDMA方式が覇権争いを繰り広げており、これを制するためには信頼度の高い堅固なネットワーク性能が必要である。
もちろん需要、料金、コンテンツもおろそかにはできない。携帯電話事業者は、加入者向けの手頃な価格の利用プランにデータ通信サービスを組み込む必要がある。またワイヤレス・ネットワークはとかく障害が発生しやすく、しかもデータをごく小さな画面で読み出さなければならない。これらの点をクリアできる高付加価値のコンテンツを提供するためには、コンテンツを一元管理する専門企業との提携も必須と考えられる。モバイル・データ・サービスに狙い通りの需要が喚起されるのは、以上の促進要因が出そろったときになるだろう。 (13ページ)(著者:David
E. Benson, Carolyn E.
Sleeth)
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