パーベイシブ・コンピューティングとは情報技術とネットワーク環境が融合したもので、誰でも・いつでも・どこでもコンピュータを利用できる状況を意味する。パーベイシブ・コンピューティングは漠然としたまとまりのない概念だが、商業的発展につながる要因や用途などに着目すれば、その進化の過程を予測することが可能だ。
レポートの著者によれば、パーベイシブ・コンピューティングが早期に実用化されるのは通信分野だという。この分野では消費需要が旺盛のうえ、実現技術にも進歩がみられるからだ。
ワイヤレス・ネットワークの急速な普及は特に注目すべき要因であり、生産性向上につながるとの期待から、個人・法人共に導入が進んでいる。コンテクスト・アウェアネスに発展する可能性を秘めたコラボレーション・ソフトウェアの登場も、今後にとって有望な要素だ。この種のツールは他のユーザーの利用環境や通信状態などを識別でき、例えば相手が現在オンラインかオフラインかを表示するほか、オンラインになったときには知らせてくれる。
パーベイシブ・コンピューティングを巡る変化を主導するのは無線LANとコラボレーション・ソフトウェアと考えられ、両者はこの分野に短期的にも長期的にも影響を及ぼすことになろう。
(8ページ)(著者:Carolyn E. Sleeth)
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