ジェノミクス研究は、大規模・自動化・ハイスループットを特徴とする生命科学新時代の幕を切って落とした。この流れは、試料準備からデータ解析に至る幅広い領域で装置やプロセスに多大な影響を与えている。ここで注目されるのが技術開発と科学研究の共存関係だ。技術開発が生物学をけん引するのとまさに同じように、生物学の進歩は技術開発の原動力となる。
研究の焦点がゲノムの配列決定から現在はまだ手薄な遺伝子の機能解明へと移行するにつれ、広大な未踏の分野が拡がってきた。学術研究の実用化を目指す企業も、数多くの分野、方法論、組織、新技術、研究領域全体の情報レベルをまとめるだけでなく、膨大な課題に直面している。
最終的には、研究者達が、生命科学に対し、統合的すなわちシステム生物学的なアプローチを取ることが望ましい。だがこの野心的な目標を達成するためには、分散した専門分野の用語やプロトコル統一と並んでバイオインフォマティクスの進歩が必要だ。
バイオインフォマティクスは、配列解読、マッピング、遺伝子機能解析から得られた膨大な情報を処理する分野である。このレポートはジェノミクスの主要三分野として配列決定、機能解析、バイオインフォマティクスを取り上げ、技術の現状を評価する。
(12ページ)(著者:Andrew Broderick)
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