Synopsis 2010-09

　2010年8月4日のScan Meetingから大きなテーマ分野が2つ、小さな分野が2つ表出した。多様に発展したマクロ経済は、ほぼ全産業分野にわたり、世界のいたるところでビジネス環境を変化させつつある。バーチャル環境が急速な進歩を見せ、個人、企業、政府向けにこれまでより幅広いアプリケーションが出現している。消費者関連の進展では、製品の来歴やユーザー生成型の教育的コンテンツやアプリケーションが取り上げられている。また、8月のミーティングでは、テクノロジー・イネーブラーの2つの分野について検討が行われた。

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　マクロ経済の発展から4つのパターンが明らかになったが、それらのパターンは外的環境における様々な変化を概説している。P0097「変化する中国」は、世界のビジネスに影響を及ぼす中国社会の変化についてまとめている。P0098「緊縮経済への対応」は、経済の現状が突きつける課題に対する各国政府や企業の取組み例を紹介している。P0099「弾む労働バブル」は、安い労働力確保の中心が大きく変化していることへの注意を促している。この変化は、先進国、発展途上国の両方に同時に影響を与える。P0100「再びレーダーに姿を現した食糧安全保障」は、増加する人口に十分な食糧資源をもってサポートしようとする農業研究や開発努力を取り上げる。

　バーチャル環境とその進展を扱うパターンは4つあり、さまざまなデジタル表現について述べている。P0104「ユーザーが産み出すバーチャル体験」は、ユーザーがこれまで以上に積極的に参加したり、専門的な貢献をするなどのバーチャル・アプリケーション分野における潜在的な変化を取り上げている。P0106「自分だけの現実」は、個人ごとに異なる現実を作り上げるほどにバーチャル環境が現実世界のアプリケーションを埋め込めるかどうかその可能性を推測している。P0107「大規模仮想アプリケーション」は、現在開発中または製作中の大規模なバーチャル環境の例を挙げている。こうしたバーチャル環境は、まったく新しいアプリケーション領域をもたらす可能性がある。P0108「仮想不死」は、人の諸相のバーチャルな表出、さらには代用について推測する。

　消費者関連の進展については、2つのパターンで扱われている。P0101「由来への関心」では、消費者が製品の来歴に対して持つ認識や関心についての考察を紹介する。P0105「ユーザーが作るe-ラーニング」は、学習機会の幅を広げるため個人向けにユーザーが作成するオンライン教育コンテンツの概要について述べている。

　今後は絶対不可欠と目されるテクノロジー・イネーブラーについて2つのパターンが示された。P0102「スマートフォン： 新しいUIの活動の場」は、新しいユーザーインターフェース設計やコンセプトの開発とテストにおけるスマートフォンの重要性を強調している。P0103「新たな予測ツール」では、プライバシーに対する懸念を引き起こしかねない消費者行動やニーズについて予測するテクノロジーの利用が増えることを予見している。